有馬温泉の有名なお土産のひとつに「炭酸せんべい」があります。これは、温泉に湧き出る炭酸泉を利用して作られたおせんべいです。小麦粉や砂糖、でんぷんなどの材料を炭酸水で練り込み、薄く焼き上げた炭酸せんべいは、パリッと簡単に割れる触感と素朴な甘さから、年齢を問わずに地元の人から観光客まで、大人気のお菓子です。今日は、有馬温泉でしか食べることのできない、炭酸せんべいについて詳しくご紹介します。
目次
有馬温泉お土産の定番中の定番【三津森本舗の炭酸せんべい】
職人技がキラリと光る!
有馬温泉には多数の炭酸せんべいが売られていますが、なかでも歴史のある代表的なものが「三津森本舗の炭酸せんべい」です。創業は明治末期、多くの効能を含む有馬温泉の炭酸泉を利用して何か美味しいものが作れないかと、店主である三津繁松が作成したのが炭酸せんべいでした。洋菓子と比べ糖類も少なく、バターや卵なども含まれていないのが特徴です。添加物や多くの保存料を含むことなく作られているお菓子なので、赤ちゃんからお年寄りまで安心して食べることができます。三津森本舗は建築されて120年の歴史を持ち、現在でも手焼き炭酸せんべいを製造しています。昭和30年代から使われているという炭酸せんべい専用の鉄板の型に、小麦粉をベースとしたタネを落として1枚1枚焼き上げます。そのスピーディーな作業は、まさに職人技です。店内からは、手焼きの工程を見学することもできるので、有馬温泉に行った際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
こだわりの一枚手焼きの焼き炭酸せんべい
ひとつのせんべいで二度楽しめる
炭酸せんべいは1枚ずつ手作業で焼かれることも多いのですが、なかでもこだわりを持って焼いているのが湯の花堂本舗の「炭酸せんべい一枚焼き」です。こちらは店頭で実演販売を行っており、1枚ずつ焼き上げた炭酸せんべいをアツアツの状態で食べることができます。通常の炭酸せんべいはパリッとした触感を楽しめますが、焼き立ての炭酸せんべいの場合は「ふにゃふにゃ」とした触感を楽しめます。しかも、食べているうちに固まってきますので、どんどん変わる食感にも注目です。湯の花堂本舗では、自動の機械を使った炭酸せんべいも販売しています。しかし、手焼きせんべいの方は水分がしっかりと生地から抜けているので、よりパリパリした触感を楽しむことができるといいます。こちらでは、機械で製造したものと食べ比べることもできます。ちなみに、焼き立てアツアツの炭酸せんべいを楽しめるのは、有馬温泉では湯の花堂本舗だけです。
クリームサンド炭酸せんべいの先駆けの【タンサンクーベル】
一風変わったお土産をお求めなら
有馬温泉の中心部からはちょっと離れた場所にある、昔ながらの佇まいが素敵な炭酸せんべいを売っている「泉堂」本店は、昭和28年三津森本舗より独立して創業をはじめたお店です。こちらも一般的な炭酸せんべいが売られていますが、なかでも注目なのは、そのせんべいにクリームをはさんだ「タンサンクーベル」です。こちらは昭和39年に発売以来、和菓子と洋菓子を融合した食べやすいお菓子として瞬く間に人気となりました。以後、こちらのタンサンクーベルに類似した商品が出回るようになり、クリームサンド炭酸せんべいの先駆け商品としても有名です。タンサンクーベルは、甘さを抑えたショウガ風味が特徴であり、炭酸せんべいの美味しさも引き立てるように作られています。通常のクリームのほかにもオレンジやコーヒー味があり、飽きの来ない味わいが特徴です。通常の炭酸せんべいだけではちょっと物足りないという方に、ぜひおすすめしたい商品です。
有馬温泉では有名なお土産でもある炭酸せんべいを、ぜひ現地に行って作られる工程なども楽しみながら、焼き立ての炭酸せんべいを味わってみてください。お店によって焼き方や食感も微妙な違いがありますので、食べ比べをしてみるのも楽しそうです。