有馬温泉の代表的なお土産の中に「佃煮」があります。これは、室町時代から湯治客向けに提供されていました。周辺の野山で採れた山椒やマツタケを、じっくりトロトロに煮込んで提供したのが、始まりといわれています。昔から美味しさには定評があり、醤油やお酒、みりんを基調とした味付けは、甘さ控えめでごはんにとってもよく合います。今日はそんな有馬温泉の佃煮について、詳しくご紹介しましょう。
目次
佃煮専門老舗の川上商店
お気に入りの味覚を選んでみよう
有馬温泉を代表する佃煮屋さんといえば「川上商店」です。こちらの創業は室町時代後期、以後伝統の味を守り続け、数多くのメディアにも出演しています。有馬温泉のお土産には、川上商店の佃煮と決めている観光客も多いそうです。そもそも、有馬温泉の佃煮は山椒で味付けされたものが多く「有馬山椒」として全国的に知られている名品です。川上商店の佃煮にも、花山椒や葉山椒、辛皮(からか)佃煮など、山椒関連の佃煮がとても充実しています。佃煮の味としては、甘さを控えたものが多く、さっぱりとした味わいが特徴の辛口が多いです。しかし、客層に合わせ、最近では糖分を加えた甘口商品も充実しているので、自分の好みに合った佃煮を選んでみてはいかがでしょうか。山椒佃煮のほかにも、松茸昆布や山菜佃煮など豊富な商品が並んでいます。試食もたくさんできるので、自分にあった1品を選んでみてください。
絶品有馬温泉の佃煮1松茸昆布の佃煮
思わず独り占めしたくなっちゃう?
有馬温泉の代表的な佃煮の中に「松茸昆布」があります。室町時代から佃煮は作られてきましたが、有馬では江戸時代になると北方交易が盛んになりました。そこで松前産の昆布が運ばれるようになり、松茸と昆布を使って作られた「松茸昆布」の佃煮が誕生しました。現在では、有馬温泉では有名なお土産となった松茸昆布ですが、真空パックされた商品を開けると、一瞬で松茸と昆布の香りが漂い食欲をそそります。辛口と甘口がありますが、小さなお子さんには甘口の方がおすすめです。大きな昆布と松茸がゴロリと入った松茸昆布は、アツアツのご飯にピッタリです。高級佃煮としても知られる商品ですが、サイズによってはお手頃な値段もあります。友人などへのお土産だけでなく、最近ではその美味しさゆえに、自分へのお土産として購入される方も多いようです。
絶品有馬温泉の佃煮2有馬山椒の佃煮
ピリリとしびれる味覚がクセになる
有馬温泉は、室町時代から山椒を使った佃煮を多く製造しており、それは「有馬山椒」として全国的にも有名になりました。しかし、山椒といってもその種類は豊富で、佃煮としては大変多くの数があります。例えば、まだ実が青いうちの「実山椒」を使って作られた「醤油煮実山椒」は、有馬温泉を代表する有名な佃煮です。山椒がやや苦手という方にも、ふっくらとした柔らかい触感が楽しめる実山椒は食べやすいでしょう。このほかにも、花山椒や葉山椒が有名ですが、なかでも有名なのは、山椒の木の樹皮を細かく刻んで佃煮にした「辛皮」です。辛皮は独特のしびれるような辛味が特徴で、山椒のなかでもアクセントの強いものになります。昆布と一緒に煮込んだ「辛皮昆布」は、食べたら後からやってくる辛味が絶品で、1度食べたらクセになる人も多いですよ。
ホカホカご飯のお供になる
日本人だから堪能できるこの味合い
有馬温泉の佃煮は、どちらかというと辛口でご飯との相性がピッタリなものが多いです。ちょっと辛い、ややしょっぱいと感じる佃煮も、ホカホカのごはんのなかに適量を埋め、温かいお米となじんだときに食べるのがおすすめです。また、有馬温泉の佃煮は種類が豊富なので、たくさんの試食もできることから、自分に合う1品を見つけることもできます。日本人が好きな主食はやっぱりお米でしょう。そんなお米にピッタリの相性を持つのが、有馬温泉の佃煮です。まずは、ぜひ温泉まで足を運び、ここでしか味わえない最高の佃煮を見つけてください。